著書 中小企業診断士×事業承継信託のご案内
日本初!中小企業診断士が書いた事業承継信託と経営者の認知症対策信託の本
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「はじめに」より抜粋
本書は、「事業承継信託と経営者の認知症対策信託」をテーマにしています。
平成19年の信託法の改正・施行によって、信託銀行等の独占状態だった信託を一般の法人個人誰もが利用できるようになりました。これは画期的な出来事だったのですが、信託の専門家が信託銀行に偏在していたため、当初は期待されていたほど普及しませんでした。
ところが、ここ数年、認知症高齢者の後見的財産管理、財産承継において、成年後見制度、相続、遺言より柔軟な対応ができる制度として注目を集めるようになり、講演会は盛況で、マスコミに取り上げられる機会も増加しました。
そして、中小企業の事業承継及び経営者の認知症対策においても、強く期待されるようになってきています。
信託は、後見を行う機能と財産を円滑に承継する機能が優れており、認知症高齢者や障がい者を支援する福祉型信託、社会貢献型信託、地域再生型信託、飼い主亡きあとの動物の世話目的の信託等、幅広い分野で利用されています。
そのため、既に出版されている信託に関する書籍は、信託について網羅的な説明をしているものが中心で、中小企業の事業承継等に内容を絞り込んだものはほとんど見当たりません。
中小企業の事業承継等に関係のない情報も多く含まれており、それらを読んでも、特殊なカテゴリーに属する事業承継信託等を正確に理解することは難しいものです。
筆者のように信託を職業としてきた読者であれば、適切な取捨選択は可能なのでしょうが、初めて信託を学ぶ場合、無用な混乱を与えてしまい「信託はいい制度らしいが、難しくてわかりにくいもの」と中途挫折の原因にもなっています。
このような問題を解決したいと考え、中小企業の事業承継等に特化した本書を出版することにしました。
第一の読者として中小企業経営者及び関係者を想定し、第二の読者として、中小企業診断士及び他士業、商工会議所、商工会、事業承継・引継ぎ支援センター、中小企業119、よろず支援拠点、金融機関、生命保険会社、不動産会社等で、事業承継のコンサルティングをしている方を想定しています。
現在、信託は急速に普及してきていますが、従来の方法と比較して、コストもリスクも下げることができ、自由設計も可能な信託を知れば、利用したいと考える中小企業関係者は、今後一層増えるものと予想されます。
組織化され事務能力も兼ね備えている中小企業関係者は、信託の最適ユーザーです。コロナで事業承継と認知症への対応が停滞しているかもしれませんが、経営者は確実に年齢を重ねており、これらへの対応は待ったなしです。
多くの方が信託を利用して、メリットを享受されることを心から願っています。