著書 知的障がい者支援信託のご案内
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令和4年1月23日(日)の読売新聞で紹介されました。
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「はじめに」より抜粋
本書は、「知的障がい者の親亡き後対策には、信託がいいらしいけど、よくわからない」と考えている支援者のために書いた本です。
平成19年の信託法の改正・施行によって、信託銀行等の独占状態だった信託を一般の法人個人誰もが利用できるようになりました。これは画期的な出来事だったのですが、当初は期待されていたほど普及しませんでした。
ところが、ここ数年、認知症高齢者の後見的財産管理、財産承継において、成年後見制度、相続、遺言より柔軟な対応ができる制度として注目を集めるようになり、講演会は盛況で、マスコミに取り上げられる機会も増加しました。
そして、知的障がい者の親亡き後の財産管理においても、使い勝手が悪い法定後見制度に代わる制度として、強く期待されるようになってきています。
信託は、後見を行う機能と財産を円滑に承継する機能が優れており、障がい者や認知症高齢者を支援する福祉型信託、中小企業の事業承継信託、社会貢献型信託、地域再生型信託、飼い主亡きあとの動物の世話目的の信託等、幅広い分野で利用されています。
そのため、既に出版されている信託に関する書籍は、信託について網羅的な説明をしているものが中心で、知的障がい者支援に内容を絞り込んだものは見当たりません。知的障がい者支援に関係のない情報も多く含まれており、それらを読んでも、知的障がい者支援信託を正確に理解することは難しいものです。
筆者のように信託を職業としてきた読者であれば、適切な取捨選択は可能なのでしょうが、初めて信託を学ぶ場合、無用な混乱を与えてしまい、「信託はいい制度らしいが、難しくてわかりにくいもの」と中途挫折の原因にもなっています。
このような問題を解決したいと考え、知的障がい者支援信託に特化した本書を出版することにしました。
知的障がい者の親、家族、親族、その他の支援者を読者と想定し、効率的に理解できる内容としているので、知的障がい者支援信託は本書一冊をマスターすれば十分なものになっています。
現在、信託は急速に普及してきていますが、従来の方法と比較して、コストもリスクも下げることができ、自由設計も可能な信託を知れば、利用したいと考える人は、今後一層増えるものと予想されます。
特に、長期間にわたる知的障がい者支援においては非常に有効で、中心的な制度になる日はすぐそこまで来ています。
筆者と同じ立場の知的障がい者の親御さんが、本書で信託を理解、習得し、使いこなせるようになることで、親亡き後の不安から少しでも解放されることを心より祈っています。